かしこくもなりたいし、女の子にもなりたかった。

とってもガーリーなゆるふわ愛され何でも屋を目指す、30代男性がお送りするファビュラスなブログ。

TechCrunch Hackathon 2015

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kirinsan.orgという敗北を知らなかったチーム

kirinsan.orgというチームは僕のホームグラウンドだ。

他のチームにも入る事は当然あるけど、自分のやっているバンドみたいな感があって、ここでないと出来ない不思議な感覚がある。

リザルト上位を取れたことは殆どないけど、過去に手ぶらで帰ったのは一度だけ。そんな我々なので、コミックバンドのようなチームながらも勝利への執着は結構なものである。

僕が他のチームで開発するときに「手ぶらで帰らない」と宣言するのは、kirinsan.orgがいつだってそうだったからに他ならない。

kirinsan.orgのハッカソン後の毎度の一言はいつだって「敗北を知りたい」だった。

そんなkirinsan.orgの1度だけの惨敗、それがウンコ。

忘れもしないOpen Hack Day 3、我々の革新的トイレマッチングサービスであるUnterestがダダ滑りし、総括でも触れて貰えなかったという苦々しい思い出。これ以来kirinsan.orgでは「ウンコネタ禁止」という極めて厳しい掟が生まれていた。

もう一度だけ言う。我々はウンコネタ以外で負けたことはない。

その後kirinsan.orgはことある毎に「とりあえずウンコはやめよう」から始まるように。それぐらい辛い思い出となっていた。

負けていない ≠ 勝利

それからkirinsan.orgとしては2度目のハッカソン。

ぶっちゃけTCHackは余りネタを考えておらず、niuセンセイの職務経験を生かしてVRネタをやってもいいのかな、ぐらいに考えていた。

確かに前回のMusic Hack Day Tokyoは音楽ネタだったし、加えて更に加わった2人のメンバーの力もあって、その結果はMAの表彰台として上がれることが確定するなど、ウンコさえやらなければ強いkirinsan.orgを再確認する事となった。

しかし、TCHackの前日の夜....

と、まあ。

結局の所我々としては他のチームに勝つ云々より自らのトラウマに勝つことを何より優先したわけだ。

素晴らしい、何の反省もないぞ、俺ら。

己との戦い。ハッカソンってそういうもんじゃないですか。うんこちんちんと連呼していたらバカウケすると思っているそんな低レベルな層とは違うのです。我々は極めて高い意識の元でウンコネタを今回やったのです。

ただのウンコとはレベルが違うんだよレベルが。

うんこで勝てたら、敵無し。

最強を目指して、私たちはまさかの「ウンコネタ縛り」でTechCrunch Hackathonを制すると決めた瞬間だった。ウンコありきではない。ウンコで勝たないと意味がなかったのだ。


当日

ノープラン、kirinsan.orgのお家芸

何の打ち合わせもする事無く当日を迎えた我々。とはいえ我々は意外にもお題を相当重視している。

  • TechCrunchに載っていてもおかしくない

僕はTechCrunchをクールなメディアだと思っている。だからこそ今回の開発物をあえてのOHD3ダダ滑り作品Unterestのリメイクと決めていた。

そもそもに於いてUnterestはウンコネタとはいえ開発そのものは真面目にやっているつもりだった。

私たちは前以上にプロダクトに対して真剣かつ真摯でなくてはならない。手にしたときの実感が得れるデモを行えるレベルのものであることは当然として

  • 限りなくプロダクションレベルに近づいた作品を作る。
  • 最初から国際化を強く意識する。
  • ウンコネタとはいえ、ウンコで笑いを取るような真似をプロダクトでやらない。

という点をいつも以上に強く意識した上で、我々はあえて危険を承知でウンコネタに取り組んだのである。

繰り返し言おう。我々はネタではなく本気でこのネタに賭けていた。

入り口を変える?無理だろ。

Unterestのリメイクという以上、便意という入り口は捨てれない。

実際問題、ウンコネタ以外に落とし込めないのかとアドバイスされた事もあるのだが、考えても見て欲しい。あなたがもし真剣に書いたストーリがあるとする。主人公のキャラクターがよくいそうなアジア人男性で、それによって成立しているストーリーなのに、マーケティング的な理由でその主人公を人気の白人男性の俳優に替えたりするだろうか?

普通そんな事を言われたって、無理は無理なのだ。

Unterestはウンコしたいという欲望ありき。それ以外の打ち出し方はない。

つまり言えばキープコンセプト。開始約数十分、kirinsan.orgの方向は確固たるものとなった。

何から作るか?我々はブランドから。

今回はUnterestという名称を避けることにした。理由はシンプル。API提供者に楽天さんが居たから。(とはいえスライドで普通に見せちゃったわけだが)

というわけで、Air Water aNd Closetの略称であるAirwncという非常にオリジナリティ溢れる言葉を今回作った。

私たちはこの名前のまま正式サービスインする予定である。

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さて、作業だ。

一番最初に行ったのはドメインの取得、そしてRoute53への紐づけ。ドメインを取得するのはkirinsan.orgのハッカソン始まって以来のことである。

それ以降は普通にEC2でnode.js+expressのWebApp、kirinsan.orgとしては毎度お馴染みに近いもの。

お互いのノウハウが生きた点として、センセはVR系を、僕は僕でここ数ヶ月煮詰めていた自前のレイアウトフレームワークのおかげでサクサクとUIの実装ができた。

そうしたことも今回の開発は非常にスムーズに進んでいた。もちろん実装したかった機能はたくさんあるのだが、少なくともデモを満たすだけの材料は比較的早い段階で揃った気がする。

構成的には面白い点のまったくないEC2が1発のみの極めてシンプルな構成となっている。

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リザルト

Twilio賞(API賞)ゲッツ。

今回はTwilio賞をいただいた。ウンコによる魔の手ぶら帰宅事件からすれば非常に夢のような話であり、Twillioの赤い受話器はこれからちょくちょく僕らの小ネタに使われていくことになる。

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Twilio自体は前回の僕のソロ参戦時に使ってみたこともあり非常に扱いやすいサービスで気に入っている。kirinsan.orgでは続いて「宇宙のパワーをくれる謎の電話番号」のクラウド版をこのTwilioで実装する予定だ。

そういった意味でkirinsan.orgとしては非常に結果満足していたのであるが......

「ウンコはダメです」(意訳)

わたしは少年時に月刊アスキーで育った世代だ。その月刊アスキーの顔とも言える遠藤氏にほぼ名指しで言われたのが、「TechCrunchで発表するということを踏まえていれば....」という旨のコメントである。

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ウンコは、だめだったよ...(僕らの心の声)

僕らが思ったことは一つ。

「ウンコはあかんのかいや!!!!!!」

これしかない。

今回我々はウンコでなければ上の結果を狙えていた可能性があるということだ。すなわちネタという地点で我々は多大な不利を被った可能性があるということである。

こうなると我々としてはもう行動は一つしかない。

プロダクト化の決意

kirinsan.orgはここで改めて宣言する。

我々はウンコネタで勝つまでウンコネタを止めない。

Airwncは正式プロダクトとして開発を継続し、プロダクトとしてTechCrunch掲載を目指すこととする。

ウンコ・ネバー・ダイ

大便だけに。

野望は大きく。

大便だけに。

我々はハッカソン会のマイノリティの代弁者としてこれからもウンコネタでハッカソンに問題を提起し続ける所存である。

大便だけに。

作ったものの詳細はこちらのハックログも見ていただけたら幸いだ。

2015年のkirinsan.orgを振り返って

おそらくこれ以降はもう今年はkirinsan.orgとしてのハッカソンはないので総括も込めて。 まあなんだかんだいっても僕ら自身は今回も含めてのハッカソンを楽しめている。

僕自身の力をつけて行かないと置いて行かれるという焦りを程よく与えてくれる相方がいて、でその2人でプロダクト然としたものが作れるという事を今回も改めて実感でき、手ブラで帰らないという基本もちゃんと満たせたので、今回の戦績は非常に意義深いものなんではないかと。

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去年のTechCrunchハッカソンは非常に大きな人生のターニングポイントになった。僕の職業がエンジニアに変わるきっかけになったし、kirinsan.org以外のチームに関わるという経験もここが初めてだった。何かと人生の節目になるのがこのTechCrunchハッカソンな気がする。

残念ながら今回もリザルトの上位に食い込めなかった。何より悔しかったのはその理由で、その点に偽りはまったくないが、かといって僕らは審査員受けのいいネタで攻めようとは考えない。

僕たちは僕たちのやり方を見せて見返したい。kirinsan.orgはkirinsan.orgらしいやりかたで存在感を見せていきたい。

改めて言おう。手ぶらで帰らないのがkirinsan.orgだ。

今回僕らはAPI賞とともに大きな野望も手にして帰ることとなった。

もちろん、これは大きいとはいってもウンコじゃない。

最後に、このエントリー中のウンコという単語は27箇所らしい。SEO面での効果が気になる。ビッグワードだけに。

関係ないけどこのエントリー、飛行機の中から投稿してるんだけどすごくね?